2008-04-28

安部公房

高校生時代、
もっぱらこの方の本を読んでいました。
1973年に発足された演劇集団、安部公房スタジオ。
この公演が名古屋でありまして。
わたし、駆けつけました。
高校3年生だったように記憶しております。

発足当時の安部公房スタジオのメンバーは、
新克利、井川比佐志、伊東辰夫、伊藤裕平、大西加代子、粂文子、
佐藤正文、田中邦衛、仲代達矢、丸山善司、宮沢譲治、山口果林の
12名だったそうです。

しかし。
わたしが観た時は既に、
ほとんどのメンバーが脱退していて。
発足時のメンバーは、山口果林さんのみでした。
上演された演目は芝居ではなく、
前衛的なダンスパフォーマンスでした。
出演者全員が布の中で踊り続けるというもので、
どの方が山口果林さんなのかも判明できませんでした。

上演後。
安部公房先生自身が舞台に現れて、挨拶をされました。
あの眼鏡と、あの消しゴム頭です。
憧れの先生を実際に見て、感激しまくりです。
この安部公房スタジオ。
日本では思うような評価が得られず、
(海外評価と国内評価のギャップ)。
1980年代に活動を休止したそうです。

1993年。
安部公房先生が亡くなられてからというもの、
安部公房先生の評価が不当に低い気がしてなりません。
安部公房という作家。
わかり易いか、わかり辛いか。
と言われれば、やっぱりわかり辛い。

読むのが辛いのなら、
勅使河原宏監督が映画化した。
「おとし穴」「砂の女」「他人の顔」「燃え尽きた地図」
なんかを観て頂きたいものです。

イワモケ

2008-04-21

マッチ工場の少女

1990年製のフィンランド映画です。
監督はフィンランドの巨匠、アキ・カウリスマキです。
とはいうものの。
わたしはアキ・カウリスマキ以外のフィンランド映画、
観たことがありません。
マッチ工場で働く少々不細工な女がその、
ダンスホールでナンパされた男と肉体関係を結び。
妊娠、堕胎。
男を毒殺。

2002年にカンヌでグランプリを獲った、
「過去のない男」もそうですが。
淡々とすっとぼけているのが、
アキ・カウリスマキ映画なんですね。
噛めば噛むほど味が出る、
するめ映画です。

イワモケ

[追筆]
この映画の主演、カティ・オウティネン。
2002年のカンヌで、主演女優賞受賞しています。

2008-04-14

夜の流れ

当時超多忙だった成瀬巳喜男が、
川島雄三に応援監督を頼んで撮った映画です。
1960年に公開されたらしいです。

この映画、
内容はどうでも良くて。
問題は、
どこを成瀬巳喜男が監督をして、どこを川島雄三が監督をしたのか?
ですが。
 さっぱりわからないんです。
見事に1本の映画になっていて、
これ巳喜男?
これ雄三?
と考えながら見ていたら、
終わってしまいました。
もう1度見直したいのですが、
ビデオもDVDも未発売なんですね。
わたしは日本映画専門チャンネルで、
偶然観たのですが。
その、
日本映画専門チャンネルの上映後の解説によるとですよ。
古い世代を巳喜男、
若い世代を雄三が担当したとの事でした。

でも、
混ざってるんですよ。
古いのと若いのとが、
混ざってる時はどっち?

うーん。
やっぱり、
もう1度観て確認したいなあ。

イワモケ