2010-10-05

夜行バス、西へ

広島サンモールの社長であり、
プローバの社長でもある、
平本社長が9月29日午後9時30分、
心不全により永眠されました。

9月29日といえば、
あたしごとではありますが、
入籍した日でありまして、
奇しくも結婚記念日と社長の命日が、
一緒になってしまいました。

似合わない結婚なんかするから、
こんなことになってしまったのでしょうか、
本当にお元気そうだったので、
まさかまさかです。

1994年だったと思いますが、
ある友人の紹介で広島にあるサンモールという、
ファッションビルのCMをという依頼を受けまして、
フルCGでヘンなハゲオヤジキャラを、
作ったように記憶しています。

あれから16年、
なによりもロングランな仕事になってしまいました。
これもひとえに、
サンモールの方々の、
超攻撃体質のたまものだと思います。
企画を3つ出せば、
必ず1番ヘンなものを選ぶ、
それがサンモールです。

10月4日の午前11時から社長の告別式があり、
酒も煙草もやらない社長でしたが、
東京や広島で何度も何度も食事をしましたし、
その都度こちらは酔っ払って暴言を吐き、
ご迷惑をおかけしましたから、
どーしても行かなきゃいけないけど、
青梅に越したものですから、
朝1番の新幹線に乗れないから、
夜行高速バスというヤツで広島に行くことにしたのです。

調べましたらば、
いろんな広島行きがあり、
値段も走行時間もバラバラでしたが、
安いバスはもう、
全てソールドアウトなもんですから、
仕方なく1番高いが3列シートで走行時間の1番短い、
JRバスのチケットをコンビニの端末で買い、
3日の21時、
東京駅は八重洲南口からバスに乗り込み、
10時間と30分のバスの旅が始まりました。

車内はほぼ満席状態で、
遅く予約したあたしの席は、
3列シートの真ん中です。
両脇は60を過ぎているだろう、
男性ふたりでした。

途中、
足柄インターで1度だけ休憩した後、
車内にある全ての窓はカーテンで覆われ、
「消灯しまーす」のアナウンスと共に、
完全消灯で寝るしかない状態にされ、
仕方なく寝ました。

昔はまあ、
ビールをがぶがぶ飲んで、
ぐっすりなんて調子だったんでしょうが、
今はほら、
公共の場所で臭いものはなしよ的な世の中ですから、
あたしを含め、
だれひとりビールなんか飲む輩などいません。

決して快適なバスの旅とは言えませんでしたが、
なんとか広島駅新幹線口に7時30分頃、
到着しました。

碓井さんという、
もともと16年前に、
サンモールのCMをあたしにとふってきた張本人で、
元はサブロー広告という広島にある広告代理店にいて、
その後、
平本社長のバックアップもあって独立した方ですが、
その碓井さんが駅まで迎えに来てくれて、
35年ローンで買ったらしい、
とても素敵なマンションで着替えをさせてもらいました。

碓井さんは告別式の手伝いで先に出ていかれたので、
あたしと喪服の奥さんとふたりっきりです。

奥さん手作りの朝食をご馳走になり、
食後の珈琲をいただき、
風呂場に取り付けられた自慢のテレビが来年夏、
アナログテレビ終了で見られなくなると、
喪服の奥さんは嘆いておられました。

そうとこうと、
いろんな世間話をして和んできたところで、
受付が大変だから早く来んしゃいと、
碓井さんから電話があり、
予定より早くタクシーで平安祭典という葬儀場へ向かいました。

これは帰りのタクシー運転手に聞いた話ですが、
ここは、
あの木村拓也元選手の告別式が行われた会場だそうです。

早く着きすぎたあたしは、
立派な祭壇に飾られた社長の遺影を眺めていました。
67歳は早すぎるのか、
人1倍健康に気をつけて、
酒も煙草やらないのに、
ほんとうに元気そうだったのに、
これは生前葬じゃないのかしら?
ひょいと本人が後ろから現れるンじゃないのかしら?

11時近くになるとどんどん参列者が増え、
用意した椅子では足りず、
出入口付近は立ち見の方々でごったがえしています。
ここ4年ほど、
サンモールキャラクターをお願いしている、
スージー甘金先生、
6時の始発新幹線で広島入りして、
無事合流です。

社長とも4度ほど食事をしていますし、
訃報を受けて迷わず新幹線を予約したそうです。
スージーさんはあたしよりちょっと上の世代、
さすがに義理人情の厚みが違います。

厳かに告別式は進み、
出棺して、
散会となりまして、
碓井さんはまだ片づけがあるということで、
スージーさんとふたりタクシーで、
いつも作業をしているCGルームに立ち寄って、
着替えをさせてもらい、
路面電車で広島駅に移動して、
スージーさんの予約した新幹線、
その隣の席に座りたいと、
みどりの窓口て頼んでみましたら、
なんなく席が取れました。

広島駅構内にあるみっちゃんという広島焼きの店で、
ビールと広島焼きとで腹を満たし、
スージーさんはみっちゃんの、
常温8時間電子レンジでチンお好みを買って、
お会計を済ましてくれました。

これは先程あたしがタクシー代を払ったので、
そのお返しにということでしたが、
ちょっとおごられすぎたので、
今度はあたしが珈琲をご馳走しますと、
新幹線改札近くの珈琲ステーションでお茶しまして、
その後、
新幹線に乗り込んだ次第です。

車中でまた、
くだんない話を延々と新横浜までの4時間弱、
繰り広げましたが、
だらだらと話が長くなってしまいましたので、
オミットします。

平本社長のご冥福をお祈りして、
毎年9月29日には結婚記念日のケーキを買って、
ロウソクに火を灯しまして、
社長のことを思い出すことでしょう。

イワモケ

しゃちょッ!

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