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2008-09-25

ラルジャン

1983年公開。
ロベール・ブレッソン監督、最後の映画です。
この後ブレッソンは、「創世記」を撮るつもり。
らしかったのですが、結果的には実現せず。
これが遺作となってしまいました。
しかしこの作品は、ブレッソン映画の集大成とも言える。
最高の仕上がりです。
徹底的に説明を排除された脚本、その皮肉なストーリー運び。
主人公をそこまで突き落とすかと、ある意味唖然とさせられる結末。
わたしはこの監督が大好きなのですが、
日本人にはかなり評判の悪い(理解不能らしい)監督です。
ブレッソン映画のドキドキ感(緊張感)って、
どうしてわかってもらえないのか。
不思議で不思議で、悲しくなります。

イワモケ

2008-09-18

Keiko(その2)

もう2度と観られないと、あきらめていたら。
唐突に、DVDが発売されました。
日本映画専門チャンネルでも放映され、
わたしは久々にこれを観直して。
DVDまで買ってしまいました。
9月22日の26時~、
日本映画専門チャンネルで再放送されます。
見逃した方は、どうぞこちらで。
DVD付属の解説書によると、クロード・ガニオン監督は。
1970年に来日。
京都を中心に8年、日本の伝統を16ミリで追い続け。
29歳で長編第1作となる、「Keiko」を撮られたそうです。
エンド・クレジットを確認すると、撮影現場のスタッフ総数は。
制作(1名)監督(1名)撮影&照明(2名)、
録音(1名)記録(1名)美術(1名)の計7名です。
撮影と照明は兼任されていて、
助手を入れたのは照明助手に1名だけです。
理想的なローバジェット・スタッフィングです。
それと音楽。
作曲と演奏は深町純さんという方で、
以前は洗足学園音楽大学で教授をなさっていたようです。
この音楽がなんとも、いいカンジです。
改めて観直してみて、
その独特な映画展開を音楽が随分と助けていることを。
再認識、致しました。

イワモケ

2008-09-10

彗星に乗って

1970年公開のチェコスロヴァキア映画です。
監督は特撮の巨人、カレル・ゼマンです。
カレル・ゼマンの不思議ワールド、大炸裂です。
基本的に、2D絵画と人間の合成なんですが。
1970年ですから、
合成するにはオプチカル(オプチカル・プリンター)処理が必要です。
しかし。
全編通してオプチカルを使う予算など、あったのでしょうか。
チェコスロヴァキアです、共産国家です。
おそらく。
オプチカルを使かわず、
もっとアナログな方法で撮ったんじゃないでしょうか。
コンピューター世代の我々には、
到底まねのできない仕事です。
カレル・ゼマンの作品集、
DVDでかなりの種類が発売されています。
全編エッチング背景を使った「悪魔の発明」、
こちらも素晴らしいです。
併せて、どうぞ。

イワモケ

[追筆]
7月に「カレル・ゼマン パーフェクトBOX」なる、
10枚組DVD‐BOXが発売されました。
観たことのない作品がかなり入っていますが、
定価2万と千円です。
うーん、
凄く欲しいんですけど悩みますね。

2008-07-18

夜の流れ(その2)

昨夜。
NHKのBSで放送されましたので、
観直してみました。

成瀬巳喜男と川島雄三の分担解明ですが。
2度目なので、
概ね分かりました。
基本的にアクションつなぎをしているのが、
川島雄三演出で。
アクションつなぎをしていないのが、
成瀬巳喜男演出であります。

ですから。
全体の6割5分が川島雄三演出で、
残りの3割5分が成瀬巳喜男演出。
じゃないかと思われます。
たぶん。

成瀬巳喜男映画とは思えない。
がちゃがちゃした印象は、
演出配分量の影響だったのですね。

イワモケ

2008-06-23

僕が9歳だったころ

2004年に製作された、韓国映画です。
原作は韓国の大ベストセラー、
「9歳の人生」だそうです。
舞台は1970年代の韓国田舎町。
貧乏エリアに暮らす少年ヨミンと、
ソウルから転校してきた都会的美少女ウリムとの
ラブストーリーです。
原作では。
29歳になったヨミンの視点(回想形式)で、
書かれているそうですが。
映画版はすべて、
現在進行形(9歳の視点)のみで描かれています。
子役たちは全員、
オーディションで選ばれたらしいです。
おそらく順撮りされただろう、
その芝居は。
映画が進むにつれて、
どんどんうまく(自然に)なってゆきます。
特に美少女ウリムの恋敵役をやっている、
ナ・アヒョンちゃん。
この子は天才女優です。
まあそんなこんなで、クライマックス。
転校ものですから、
結局美少女ウリムは再びソウルへ帰ることになります。
お別れの直前、
少年ヨミンは告ってほっぺにチュウします。
誰もが経験したことのある甘酸っぱい恋の感覚を、
見事に再現しています。

イワモケ

2008-05-09

バリー・リンドン

1975年に公開された。
スタンリー・キューブリックによる、
コスプレものです。
上映時間185分の超大作です。
原作は、
ウィリアム・メイクピース・サッカレーの同名小説(1844年)で。
18世紀半ば。
アイルランドの農家に生まれた、
レドモンド・バリーの半生を描いております。
有名なロウソク光だけのライティング、
気が狂っています。
ワンショット、
ワンショットが、
絵画のように美しい。
奇跡的な映画であります。

イワモケ

2008-05-02

やくざ絶唱

「兵隊やくざ」から5年。
増村保造と勝新太郎が、再びタッグを組んだ1本です。
「千羽鶴」ではなく、これを書けと。
sasakittyさんからDVDを頂きました。
妹役の大谷直子さん、
かなり保造色に染められておりますが。
勝新太郎は、勝新太郎のままです。
溝口健二もそうですが、
芝居が完成している男優さんには、
何も注文しないんですね。
お話は相変わらずのくるくるぱあで、
殺ったり、
殺られたりです。

イワモケ
[追筆]
写真は大映時代の平泉成さんです、
この頃は平泉征さんでした。
裸になられると筋肉隆々だったりして、
驚きます。

2008-04-21

マッチ工場の少女

1990年製のフィンランド映画です。
監督はフィンランドの巨匠、アキ・カウリスマキです。
とはいうものの。
わたしはアキ・カウリスマキ以外のフィンランド映画、
観たことがありません。
マッチ工場で働く少々不細工な女がその、
ダンスホールでナンパされた男と肉体関係を結び。
妊娠、堕胎。
男を毒殺。

2002年にカンヌでグランプリを獲った、
「過去のない男」もそうですが。
淡々とすっとぼけているのが、
アキ・カウリスマキ映画なんですね。
噛めば噛むほど味が出る、
するめ映画です。

イワモケ

[追筆]
この映画の主演、カティ・オウティネン。
2002年のカンヌで、主演女優賞受賞しています。