2008-02-07

しとやかな獣

おそらく川島雄三映画の中で、
最もスタイリッシュな作品です。
漫画家時代この映画にハマりまくり、
構図とかよく盗みました。
設定はほぼグランド・ホテル形式で、
前田家の住居(マンション)の中だけで展開されます。
同じ室内をありとあらゆる、
それでいて、
とても野心的な構図で撮っています。
小物と人物の配置が絶妙で、
やっぱ、
スタイリッシュ映画は素敵だなあと。
改めて、痛感させられます。
主演は若尾文子さんになっていますが、
本当は伊藤雄之助です。
ここまでとぼけた演技のできる役者は、
もう現れないでしょうね。

伊藤雄之助主演の「プーサン(監督・市川昆)」も絶品です。
興味があれば、こちらも是非。

イワモケ

2008-02-06

中国人の店

毒入り餃子事件で戦々恐々の毎日ですが、
ひとりめしは、
迷わず中国人の店に入ります。
海外映画祭や海外配給の為に、
2ヶ月に1度のペースで海外出張していた頃、
中国人の店にハマりました。
どんな国でも、
どんな小さな街でも。
規模の大小はありますが、
中華街が存在します。
海外の日本食レストランが、
クソまずくてバカ高いのに対して。
どの国でも、
中国人の店は安くて早くて美味しいです。

イワモケ

[追筆]
昨晩も中国人の店でひとりめし、
しましたが。
普段通り、混んでいました。
毒入り餃子事件もなんのその。
みなさん、
美味しそうに餃子をパクついておりましたです。

2008-02-05

暗殺の森

毎年初夏のスイスで開催される、ロカルノ映画祭。
ここの名物はピアッザ・グランデと呼ばれる、大屋外上映会です。
幸運な事にわたし、
ベルナルド・ベルトルッチの傑作「暗殺の森」を。
70ミリプリント版(35ミリをブローアップ)でもって、
ピアッザ・グランデで鑑賞致しました。
忘れもしません、1993年の事でございます。
屋外で。
それも超巨大スクリーンと超巨大スピーカーで、
「暗殺の森」を観られるなんて夢の様な話です。
まさにオペラですよ、オペラ。
ヴィットリオ・ストラーロの光とカメラ移動に酔いしれた夜でした。
今回。
ビデオで観直して、また興奮してしまいました。
これはやっぱりDVD買わなきゃだな、と思い。
ネットで調べてみましたら。
既に絶版(1997年発売)になっていまして、
新品でも2万5千円。
中古でも1万9千円とか言っちゃってます。
元の値段は3990円ですよ?
はい?
「暗殺の森」ですよ、
ベルトリッチの代表作ですからね。
アミューズ・ビデオさん、
しっかりしてください。
よろしくお願いしますよッ。

イワモケ

2008-02-04

にっぽん昆虫記

横浜放送映画専門学院という、
怪しい専門学校に通っていたわたし。
この怪しい専門学校の学院長は、あの今村昌平です。
わたしは今村昌平の熱烈な信者というワケではなく、
実習中心のカリキュラムに魅力を感じて入学したのでした。
週2本、
学院内の劇場で洋画と邦画の上映が行われていました。
洋画の解説は淀川長治さん、
邦画は佐藤忠夫さんでした。
スタイリッシュ(ダサい)じゃない今村映画はどうも苦手で、
敬遠していました。
当時の今村昌平は、
「にっぽん戦後史 マダムおんぼろの生活」以来、
10年近く映画を撮っておらず。
わたしを含め多くの学院生たちは、
今村昌平をもう終わった監督だと考えていました。
映画が撮れないから、
お金に困ってこんな怪しい学校を立ち上げたんだろう?
などと皆で噂していたものです。
しかし。
「にっぽん昆虫記」を学院内の劇場で観てから、
今村昌平という監督に対する認識が変わりました。
今回、この映画を久々に観直してみると。
やっぱりこの映画は、どこを切っても今村昌平です。
これは、今村昌平にしか作れない映画です。
今村映画の原型は、全てここにあります。

イワモケ

2008-02-01

覇王別姫

カンヌでパルムドールを受賞していますので、
ご存知の方も多いと思います。
六本木で「子供たちの王様」を観て以来、
わたしはチェン・カイコーが大好きです。
1991年。
「人生は琴の弦のように」を、
モントリオール映画祭に出品していました。
その時わたしもモントリオールにいまして、
監督をお見かけ致しました。
なんだか、
どきどきしちゃいまして。
わたしにとって大好きな監督はアイドルの様なもので、
用もないのに後を追いかけたりして。
エレベーターで大接近した際、
ニオイを嗅いだりしてみました。
最近では「PROMISE」とか、
超駄作を撮られていますが。
これにはきっと、
大人の深い事情があったのでしょう。
わたしは気にしていません。
チェン・カイコーはきっとまた、
大復活します。
チェン・カイコー映画は、とにかく照明が美しいです。
ハリウッド映画並に大きな照明をたいていると思うのですが、
たかれた照明からどんどん引き算をして、
自然な照明を作り出します。
「覇王別姫」のレスリー・チャン。
本当に美しいです、惚れ惚れします。
この映画は、
チェン・カイコー映画前半期の最高傑作だと思われます。
チェン・カイコー映画がどう変貌して行くのか、
注意深く見守り続けたいと思います。

イワモケ