2008-02-04

にっぽん昆虫記

横浜放送映画専門学院という、
怪しい専門学校に通っていたわたし。
この怪しい専門学校の学院長は、あの今村昌平です。
わたしは今村昌平の熱烈な信者というワケではなく、
実習中心のカリキュラムに魅力を感じて入学したのでした。
週2本、
学院内の劇場で洋画と邦画の上映が行われていました。
洋画の解説は淀川長治さん、
邦画は佐藤忠夫さんでした。
スタイリッシュ(ダサい)じゃない今村映画はどうも苦手で、
敬遠していました。
当時の今村昌平は、
「にっぽん戦後史 マダムおんぼろの生活」以来、
10年近く映画を撮っておらず。
わたしを含め多くの学院生たちは、
今村昌平をもう終わった監督だと考えていました。
映画が撮れないから、
お金に困ってこんな怪しい学校を立ち上げたんだろう?
などと皆で噂していたものです。
しかし。
「にっぽん昆虫記」を学院内の劇場で観てから、
今村昌平という監督に対する認識が変わりました。
今回、この映画を久々に観直してみると。
やっぱりこの映画は、どこを切っても今村昌平です。
これは、今村昌平にしか作れない映画です。
今村映画の原型は、全てここにあります。

イワモケ

0 件のコメント: