2008-02-12

映写技師と学ラン

名古屋に、今池という街があります、
東京で言うと池袋ですかね、
規模は全然小さいですけど。
その今池にあった名画座。
高校生の頃の話ですから、
劇場の名前はもう忘れてしまいましたが。
通っていた高校が同じ地下鉄のライン上にあり、
定期券を使って途中下車できましたから、
よく通いましたです。

ここはATG映画専門の名画座でして、
客席はいつもガラガラでした。

高校生ですから試験とかあります。
中間とか、期末とか。
この試験週間は絶好の映画週間でもあり、
昼間っから映画を観まくっていました。

そして、この今池ATGで。
大島渚だの、吉田喜重だの。
観るわけです。
普段の夜でもガラガラですから、
平日の昼間なんて、
概ね客はわたしひとりでした。
ですから、
わたしと映写技師のおっちゃんと、
1対1で映画を観るわけです。

ATG映画というのは、
なんだか知らないけど、
絶対どこかでオッパイ出すんです。
こちらは学校帰りですから、学ランですよ。
マズいカンジじゃないですか、
学ランの高校生が昼間っから、
堂々とオッパイ見るというのは。
特に愛知県は教育バカ県ですから、
青少年育成なんとかカントカ、
ですよ。

それで、
画面にオッパイが映ると、
映写室から強い視線を感じるんです。
さりげなく振り向いて映写室を見上げてみると、
やっぱりおっちゃん、
わたしの事を監視するように映写室から見ています。
こちらは間違ってもボッキなどしないように、
平静を装ってオッパイをチラ見します。
おっちゃんはおっちゃんで、
わたしを監視し続けています。
客はわたしひとりですが、
とても緊張感のある上映です。
そんなおっちゃんとの真剣勝負、
なんだか楽しかったなあ。
と、
思い出してみました。

イワモケ

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