2008-02-19

千羽鶴

1969年に公開された、増村保造映画です。
原作はノーベル賞作家、川端康成の同名小説であります。
この映画の完成当時。
原作者は未だ御存命でしたから、
完成した映画を観られたのでしょうか。
観られなかったのでしょうか。
観られていたのなら、
さぞお怒りになった事でしょう。
溝口健二の「おバカ映画」を、
更なる独自解釈で進化させたのが増村保造です。
「スチュワーデス物語」などに代表される、
増村保造の大映テレビ仕事。
映画とテレビ、
基本的には同一線上にあると思われます。
誇張された演技と台詞まわし。
増村保造節、
とでもいいましょうか。
本当に独特な演出方法です。
亡き父の元愛人である二人の女と、その娘。
どろどろ愛憎劇、真剣勝負物語であります。
しかしこれが大爆笑。
とにかく登場する人、
全員くるくるぱあなんです。
川端康成が完成品を観ずに亡くなられた事を、
ただただ祈るばかりです。

イワモケ

[追筆]
この作品が増村保造映画の中で、
唯一に近くDVD化されていないのは、
原作者ご遺族様、
もしくは関係者様の反対によるものなのでしょうか?

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