2007-12-27

ロベール・ブレッソン

若い方は、
観た事も聞いた事もないんじゃないかと思いますが。
1901年生まれのフランス人映画監督です。
代表作には、
「スリ」
「ジャンヌ・ダルク裁判」
「ブローニュの森の貴婦人たち」
「田舎司祭の日記」
など。
いろいろとありますが、
わたしは「白夜」という映画がとても好きでした。
映画専門学校生の頃、
三鷹あたりの名画座で観たように覚えています。
残念ながらこの作品、
ビデオとかDVDとかないです。
(おそらく版権の関係で)
もう一度観てみたいのですが、
今となっては観る術がありません。
同じ原作でヴィスコンティも撮っています、
ヴィスコンティ版の方が有名かも知れません。
ブレッソンは、「役者」を「モデル」と呼びます。
つまり、役者はひとつの物体なのです。
映画「やさしい女」のヒロイン、
ドミニク・サンダ(当時・16)の興味深い証言があります。
「ブレッソンがつくりだす空間というのはとても奇妙です。
ずいぶん不思議なことをさせられました。
たとえば、相手役と話をするとき。
彼の目でなく左耳の、
それもとても厳密に指示された個所を見るようにと言われたことです。
それは私にはとても奇妙な体験でした。
けれども、そのうちに少しずつ。
ブレッソンが、
私の表面上のあらゆる反応をできるかぎりとり去って。
私の内部からにじみ出て来るものを、
見付けたいのだという事が分かってきたのです」
映画専門学校生時代からこの演出論に馴染んで来たせいか、
役者に冷たいとよく言われました。
別に冷たくしている訳ではなく、
役者を客観的に見ていただけなのですが。
人間を5年も撮っていない理由に、
深く関係しているのではないかと。
今、思ってみたりしています。

イワモケ

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