横浜にあった映画の専門学校に通っていた2年目、
私は演出ゼミではなくシナリオゼミへと進みました。
しかし、シナリオゼミに講義にやって来る先生方はポンコツばかりで。
ほとんど、興味のある講義が無くて。
毎日、横浜とは逆方向の東京方面へ映画を観に行ったものですが。
唯一、例外的に全講義に出席したのが。
本日、お亡くなりになられたと発表があった石堂淑朗先生の講義でした。
高校生時代、「太陽の墓場」や「無常」なんぞを観て感化されていたので。
もう、目をギンギンに輝かせて講義を聞いたものです。
講義で何を話されたか、今ではさっぱり覚えがありませんが。
安部公房、この方の悪口をずっと話されていた様に記憶しております。
東大文学部ドイツ文学科卒の石堂先生、
卒論のテーマは「カフカ」だったそうで。
詳しいが故に、
安部公房はカフカのパクりで許せないというのが持論でした。
あれから30年余り、
すっかり石堂先生のことなんぞ忘れて生活しておりましたが。
今日その訃報を聞き、
改めて石堂先生が広島出身だったと知って驚きました。
当時から知らなかったのか、忘れていたのか。
「石堂先生、広島県人だったのかあ」と、ひとりつぶやいてしまいました。
ただの偶然か、運命なのか。
縁もゆかりもない広島を、
毎年少なくとも2度は訪れるという生活も早15年。
何を隠そう、石堂先生。
私が初めて会った広島県人だった、という事実に愕然としたのでした。
その後、神足裕司さんと出会い。
広島サンモールという、妙なクライアントと出会い。
数々の広島県人と会ってまいりましたが、
その発端が石堂先生だったというのは。
本当に、感慨深いです。
石堂先生、ご冥福を祈ります。
映画「無常」は、サイコーであります。
イワモケ
0 件のコメント:
コメントを投稿