これは、わたしが漫画家時代に出版した単行本です。
発売して2ヶ月だか3ヶ月後だか(記憶が曖昧です)で、
出版社が倒産するという悲劇の単行本です。
そういえば、印税ってもらえたのかなあ?
覚えがないなあ。
先日、
ある友人の事務所に遊びに行った時。
本棚にあるこの本を発見して、頁を捲ってみました。
そしたら、自分で言うのもナンなんですが。
とてつもなく面白くて、最初から最後まで読んでしまいました。
自分で描いておいて、ヘンな話ですけど。
20年前の事ですから、他人事です。
この本、わたし。
持っていないんです。
発売当初は手元に10冊程あったんですが、
毎年毎年2冊3冊となくなり。
気づいたら、1冊も手元になくなっていました。
うちに遊びに来た友人たちが、ちょっと貸してと。
持ち去ったのですが、その後。
1冊も戻って来ていません。
この本に掲載されている漫画は、
いわゆるエロ漫画誌で連載していたものばかりです。
性描写にはとてもうるさいのですが、
他の表現はノーチェックで。
好き放題描かせてもらっていました。
これはもう、
「表現の自由」を通り越して「自由すぎる表現」です。
なんの打ち合わせもせず、
こちらの描きたいものを勝手に描いて原稿料を頂いていました。

若いもんパワーです。
今、この歳でこれを描けと言われても描けません。
若い時にしか出来ない事と、歳を喰わないと出来ない事。
ありますねえ。
イワモケ
[追筆]
発売当時。
本当に精神安定剤を服用されている方々から、
多くのファンレターを頂きました。
ファンレターのお返事は書くように努力していましたが、
どうお返事したら良いのか困惑するものばかりでした。
タイトルは「精神安定剤」ですが、
そっち方面の本ではありません。