2008-01-30

西鶴一代女

実はわたし。
長年、溝口健二が苦手でした。
池袋あたりの名画座で。
「元禄忠臣蔵」を最初に観てしまったのが、
そもそもの間違えでした。
この方ほど、当たりハズレの激しい監督はいません。
ワンシーン・ワンカットを多用するあまり、
アングルが高くなり過ぎる傾向があり。
そこん所がどうも気に喰わなくて長年、
溝口健二を否定しておりましたが。
パリの名画座で「西鶴一代女」を観た時から、
その認識を改めました。
フランス語タイトルは「OHARU」で。
フランス人たちと一緒に観る「OHARU」は、
まるで違う映画でした。
最初から最後まで笑いっぱなしなのです。
こちらもつられて笑いっぱなしです。
それまでのわたしはどうも、
溝口映画を真剣に見過ぎていた様です。
この方の映画は、
決して品のあるモノではなく。
ただのおバカ映画なんだと、
パリで再認識した次第で御座います。
水谷浩の作る巨大なセットの中で繰り返される、
すっとこどっこい絵巻。
溝口映画は、とてつもなく壮大なおバカ映画なんです。
多分。

イワモケ

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