日本の小説に関する著作権制度は現在、
作品を保護する期間を作者の死後50年としています。
死後50年経ちますと、制限をゆるめまして。
すでにあるものを元に、新しい作品に仕立てたり。
翻訳したりの自由が、広く認められます。
先人の知恵を借りて、
また新たに創造物をつくる。
これは古いものを新しく翻訳して、
今を生きる人々に伝えるということです。
歌舞伎や落語などは、
この方法でより面白い改訂を繰り返して来た訳です。
武者小路実篤という明治の文豪。
この方、
お亡くなりになったのは1976年ですから。
著作権が切れるまでにあと、18年あります。
三島由紀夫が切腹自殺したのが、1970年。
川端康成がガス自殺したのが、1972年であります。
おかしくないですか?
武者小路実篤ですよ、
森鴎外や有島武郎と同時代の作家です。
「作者の死後50年」のトリック、とでもいいましょうか。
なにも書かなくても長生きしますと、
著作権が切れないのです。
日本はこれをアメリカにならって、更に20年。
作者の死後70年に延長しようとしています。
わたしは大反対です。
なにかを創造するというのは、
古代から脈々と続く「連想ゲーム」です。
完全なオリジナなどは、存在しません。
そのことを今一度悟り、共有すべきです。
50年前の書物を、さあこれは名作だ。
そのまま原文で読めと言われても、ムリです。
新たに面白可笑しく翻訳して興味を持ってもらう、
これがとりあえずの入口です。
昔々は。
この翻訳作業を、
いろんな映画監督がやってくれていました。
わたしたちはその翻訳を観て、
興味を持ち、
原作を読んでみたものです。
今や映画テレビ原作の8割方は、マンガです。
うーん、
このままではいかん。
より現代的な翻訳作業とはなにか?
それについてあれやこれやと考えていましたら、
とってもグッドなアイデアが浮びました。
またヘンな企画を作る準備をしようと、思います。
若い頃は自分のオリジナルにしか興味がありませんでしたが、
わたしもそろそろ。
古典に手を出せるお年ごろと、
なりました。
イワモケ
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