2008-09-11

著作権制度

日本の小説に関する著作権制度は現在、
作品を保護する期間を作者の死後50年としています。
死後50年経ちますと、制限をゆるめまして。
すでにあるものを元に、新しい作品に仕立てたり。
翻訳したりの自由が、広く認められます。

先人の知恵を借りて、
また新たに創造物をつくる。
これは古いものを新しく翻訳して、
今を生きる人々に伝えるということです。
歌舞伎や落語などは、
この方法でより面白い改訂を繰り返して来た訳です。

武者小路実篤という明治の文豪。
この方、
お亡くなりになったのは1976年ですから。
著作権が切れるまでにあと、18年あります。
三島由紀夫が切腹自殺したのが、1970年。
川端康成がガス自殺したのが、1972年であります。
おかしくないですか?
武者小路実篤ですよ、
森鴎外や有島武郎と同時代の作家です。
「作者の死後50年」のトリック、とでもいいましょうか。
なにも書かなくても長生きしますと、
著作権が切れないのです。

日本はこれをアメリカにならって、更に20年。
作者の死後70年に延長しようとしています。
わたしは大反対です。
なにかを創造するというのは、
古代から脈々と続く「連想ゲーム」です。
完全なオリジナなどは、存在しません。
そのことを今一度悟り、共有すべきです。

50年前の書物を、さあこれは名作だ。
そのまま原文で読めと言われても、ムリです。
新たに面白可笑しく翻訳して興味を持ってもらう、
これがとりあえずの入口です。

昔々は。
この翻訳作業を、
いろんな映画監督がやってくれていました。
わたしたちはその翻訳を観て、
興味を持ち、
原作を読んでみたものです。

今や映画テレビ原作の8割方は、マンガです。
うーん、
このままではいかん。
より現代的な翻訳作業とはなにか?
それについてあれやこれやと考えていましたら、
とってもグッドなアイデアが浮びました。
またヘンな企画を作る準備をしようと、思います。

若い頃は自分のオリジナルにしか興味がありませんでしたが、
わたしもそろそろ。
古典に手を出せるお年ごろと、
なりました。

イワモケ

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